定量送液が可能で便利なシリンジポンプですが、連続送液を行いたいと考えたことはありませんか?
本記事では、シリンジポンプの基礎からシリンジポンプで連続送液する方法までわかりやすく解説します。
知らない方のためにも、シリンジポンプについて一度おさらいしておきましょう。
シリンジポンプとは、シリンジ(注射器)とモーターを組み合わせて、モーターがシリンジを押し出すことによって送液するポンプです。モーターには、速度調節が容易で、一定速度で動作できるステッピングモーターを採用することで一般的です。
この動作原理から2つの大きな特徴を持っています。
l 精度の高い流量調節が可能
モーターの速度から流量をかんたんに換算することができる
l 無脈動での送液が可能
一定速度でモーターがシリンジを押し出すため、脈動のない送液ができる
微量な流量域でも無脈動での送液ができることで、医療現場や材料製造現場などで活躍しています。
非常に使い勝手の良いシリンジポンプですが、連続送液ができないという問題があります。シリンジを使用しているため、液体を推し出し切ってしまうと、それ以上は送液できないのです。
それでは、シリンジポンプで連続送液するにはどうしたら良いでしょうか。
まず考えられるのがシリンジのサイズを大きくすることです。サイズが大きくなった分だけ送液できる量を増やすことができます。しかし、この方法だと液体の量が変わる度に適切なサイズのシリンジを用意する必要がありますし、シリンジのサイズにも限界があります。あまり便利な方法とは言えないでしょう。
次に考えられるのがシリンジを2つ並べる方法です。使い方としては、まず1つ目のシリンジの送液を行い、押し出し終わったら、タイミングよく2つ目のシリンジの送液を開始するのです。こうすることで、通常のシリンジポンプの2倍の量を連続送液することができます。
もっと量を増やしたければその分だけシリンジの数を増やせば良いので、先ほどの方法よりは使いやすそうです。
しかし、この方法にも大きな欠点があります。シリンジの数を増やせば増やすほどデッドボリュームも増えてしまうことです。下記の画像の赤枠の部分に注目してください。送液が終わった後も、この部分に液体が残り続けてしまうことがイメージできると思います。高価な液体を使う場合には、特に大きな問題となってしまいます。
また、実はいずれの方法も1度に送液できる量を増やしているだけなので、連続送液をするための本質的な解決にはなっていません。
本当の意味で連続送液する方法はないのでしょうか?これはシリンジポンプを使っている以上、送液できる量が決まっているため、原理的に不可能と言わざるを得ません。
そこで考え方を変えて、シリンジポンプから別のポンプへの変更を検討してみてはいかがでしょうか?本質的にやりたいことは無脈脈動でかつ連続送液ができことであって、ポンプは何でも良いのではないでしょうか?
もし、シリンジポンプにこだわる理由はなく、無脈動で連続送液が可能なポンプをお探しであれば、弊社の無脈動チューブポンプがおすすめです。チューブポンプでありながら無脈動を実現した世界初のチューブポンプです。